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WeWorkの事例から学ぶ[共用スペース事業]の戦い方

ビジネス戦略

Weworkの事例から学ぶ[共用スペース事業]の勝利条件

 

2020年2月17日に記載された、以下の記事を起点に、共用スペース事業について考察を深めます。

ウィーワーク特需で大量の新築ビルが埋まる、オフィス不動産市場の異常

(クリックするとダイヤモンドオンラインのニュース記事にとびます)

 

【記事要約】

不動産賃料は周期的に上下することが知られているが、賃料上昇の時間幅が過去と比べて約2倍長くなっている。五輪効果による不動産(建物)供給拡大にも関わらず、不動産賃料上昇が続くという異例の現象である。原因は、主に以下の2つであると考えられる。1つは、共用スペース事業の流行による需要の増加。もう1つは、企業による有望な人材確保をひきつけるための好立地・好条件なオフィス獲得意欲が引き起こした需要の増加。一方、この傾向は2020年を目処に徐々に衰えていき、不動産の空室率は上昇すると推測されていることも事実である。

 

 

【不動産を使ったビジネスモデルの種類】

不動産を貸す・借りるというビジネスの形態を考えた時、

以下の4パターンの方法が存在することがわかります。

  1. 個人が個人に貸すパターン
  2. 個人が法人に貸すパターン
  3. 法人が法人に貸すパターン
  4. 法人が個人に貸すパターン

 

それぞれのビジネスのタイプについて、以下の表に示すような代表的な企業が存在します。

不動産を利用したビジネスモデルの種類と、各モデルを代表する企業名
貸す側    借りる側 個人 法人
個人 Airbnb  (空き部屋の間貸し) 
法人 WeWork  TKP貸会議室
  • Airbnbは(主に)個人がアパートやマンションを所有し、それをさらに他の個人に日数貸しするというモデル
  • WeWorkは法人がビルの空き部屋を所有し、それを不特定多数の個人に期間貸しするというモデル
  • TKP貸会議室は法人がビルの空き部屋を所有し、それを法人に対して主に時間貸しするというモデル

 

近年では、情報技術の発展によって、いち個人が質の高い生活を”場所に関わらず”営むことができるようになりました。

その潮流がWeWorkやAirbnbといった場所を個人に貸すという事業が加速する要因となりました。

そしてそれら企業のビジネスが”場所(=不動産)”を必要とすることから、土地や建物のオーナーがトクをする時代になったと言えます。

 

 

【共用スペース事業の戦い方】

WeWorkのように、オフィススペースを法人が不特定多数の個人に貸すというシェアリングビジネスは近年注目を集めています。 

新しいビジネスモデルがあるがゆえに、新規参入企業はどのように戦ったら良いのかなかなか検討がつきにくいかもしれません。

どういった狙いがあれば、オフィスシェアリング事業で競合に勝ちうるのでしょうか。

また、それら狙いの候補をどのようにしたら網羅的に考えつくことができるでしょうか

 

WeWorkを競合にとったときの新規参入企業の戦い方を見るために、まずはWeWorkの戦略を理解してみましょう。

 

<WeWorkのビジネスモデル考察>

WeWorkのマネタイズモデル(収益源)としては、以下の2つがあります。

  • メンバーシップ登録をする個人からの期間ごとの収入
  • 宣伝を希望するスポンサ(法人)からの広告収入 

 

これらマネタイズモデルをもとにWeWorkの戦略を理解するために、

5W1Hを今回のフレームワークとして用います。

  • Who誰が共用スペースを使うのか
  • Whenいつ共用スペースを使うのか
  • Whereどこで / どこの共用スペースを使うのか
  • What何のための共用スペースを使うのか
  • Whyなぜ共用スペースを使うのか
  • Howどのようにして共用スペースを使うのか(関与のしかた)

 

5W1Hを軸にWeWorkの狙う顧客を考察していくと、以下のようにまとめることができます。

 

5W1Hで考えたときの、WeWorkが狙うターゲットの詳細
5W1H WeWorkのターゲット(個人) WeWorkのターゲット(スポンサ)
誰が 特に20代以上のビジネスマンや、フリーランサー BtoC / CtoC 商売の企業
いつ ほぼ年中無休で開室 左に同じ 
どこの 東京に28拠点(全国35箇所) 左に同じ 
何のための 仕事を行う場所として 商品・サービスを広告するために
なぜ 便利(=備品の充実・外での気休め場所)、コミュニティの構築 似た顧客層に効率よくアプローチできる
どのようにして  メンバーシップ登録  備品の提供や壁紙広告など

 

    WeWorkは戦略として、以上のようにターゲットを絞り込んだうえで、ターゲットに響くようなサービスを提供しています。

     

    <WeWorkを競合にとったときの新規参入企業の戦い方>

    仮に今、市場参入を試みるならば、コトラーの市場地位に応じた戦略に置ける「チャレンジャー」の戦略を取るべきです。

    すなわち、競合他社の弱点をつく、差別化戦略が有効です。

    参考:野村総合研究所 コトラーの競争地位戦略

     

    WeWorkの弱点は何でしょうか。

    先の5W1Hからも見えるように、WeWorkはターゲットを

    「一番儲かりやすいターゲット」に設定しています。

    つまり、ビジネスマンをターゲットに、都心部に集中的に展開しています。

    そこの顧客層が一番ボリュームが大きく、かつ獲得可能性が高いからです。

    新規ビジネスモデルの先駆けとして当たり前とも言えるターゲティングですが、

    仮に競合が今参入するならば、WeWorkとは違うターゲティングで戦略を練ると良いでしょう。

     

    Written by リッキー博士

     

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