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モスの健康バーガーから考察するCSRとCSV

ビジネス戦略

モスの健康バーガーから考察するCSRとCSV

 

2020年2月15日の日経新聞に掲載された以下の記事について考察していきます。

 

『モス、100%植物性バーガー 健康・環境志向に対応』

(クリックすると日経新聞の記事へとびます)

 

 【記事要約】

(株)モスフードサービスが運営するモスバーガーが、パン・ソース・パティ(肉)の全てに動物性原料を使わない、植物性原料のみで作られるハンバーガーの販売開始を見込んでいる。環境保護や持続可能性の観点から、植物性商品は近年世界的に注目を浴びている。

 

【代替肉の市場】

日本では、まだまだ代替肉は一般ウケはしていないようです。

実際、2009年設立、2019年上場の爆発的に伸びている代替肉を製造・販売をしている米国会社のビヨンドミートは、日本への進出計画を取りやめました。

しかし世界規模で見ると、その市場は140億ドル(=1.5兆円)ほど現在の時点であるようです。

植物性原料を利用したり、分子レベルで培養肉を生成したりと、いかにして「動物肉」の代わりを作るかを、世界中の企業が模索しています。

参考: アメリカ発の「代替肉」が気づけば急拡大の予感 東洋経済(2019)

 

【代替肉の使用が流行っているワケ】〜 CSR / CSV 〜

代替肉が世界で流行っている理由、それはCSVという概念に凝縮されるでしょう。

 

CSV – Creating Shared Value (共通価値の創造) 

とは一言で言えば、

「企業がやりたいこと」が「社会が求めていること」と一致するように頑張ること

です。

 

この話をするときに引き合いに出されるのが、

CSR – Corporate Social Responsibility (企業の社会的責任)

です。こちらは一言で言えば

「企業がやりたいこと」とは別に、外からの見え方(体裁)を良くするために頑張ってボランティアすること

です。

 

企業にとって、外からの見え方(=企業イメージ)は大切です。

企業イメージを上げるために頑張っていることを表す概念が、これらCSR / CSVなのです。

 

CSRとCSVの違いは、「企業のやりたいこと」と「社会が求めていること」が一致しているかしていないか、ということです。

 

【CSR / CSVの具体例】

●CSR(企業の社会的責任)の具体例

工場で製品を作ると、温室効果ガスが大量に排出されます。

温室効果ガスは地球温暖化といった、社会に悪影響を及ぼすものです。

特に大企業はそういった社会にとって負になることを継続的・大々的にしていると、非難されることもあるでしょう。

その時に、本業とは別のところでボランティアや寄付をして、社会貢献的活動を行います。

そうして企業は、外(=社会)からの見え方を保ちます。

これが、CSR(企業の社会的責任)の具体例です。

 

●CSV(共通価値の創造)の具体例

上で述べた工場において、あるプロセスで多くの温室効果ガスが排出されており、かつそのプロセスは非効率的だったとします。

技術革新によって、よりコストをかけずに 、かつより温室効果ガスの排出量を抑えて、そのプロセスを実行できるやり方が見つかったとします。

そのようなやり方を導入した時に、いわゆる「企業のやりたいこと(=本業でのコスト削減)」と「社会が求めること(=温室効果ガスの排出量抑制)」が同時に達成されるでしょう。

このような考え方・活動が、CSV(共通価値の創造)の具体例です。

デロイトトーマツによるCSVの説明リンク

 

以上の具体例からもわかるように、CSVはCSRが進化したバージョンであると言っても良いでしょう。

数年前までは企業の本業と社会的活動が分離されていましたが、近年ではそれらが同時に達成されることがより好ましいと捉えられています。 

 

【モスバーガーの健康バーガーの狙い】

モスバーガーが100%植物性の健康バーガーを販売しようというのは、まさにCSVのあらわれです。

その証拠に、以下の「モスがやりたいこと」と「社会が求めていること」が一致しています。

 

●モスがやりたいこと

・話題性による、売上・利益アップ

・新規顧客(健康志向の顧客)の獲得

・新市場(将来伸びそうな培養肉市場)でのシェア早期獲得

 

● 社会が求めていること

・動物保護

・資源の有効活用と節約(牛・豚など)

・環境保護(畜産業が排出する多量な温室効果ガスの抑制)

・健康的な食生活

 

モスは、自分たちと社会にとって、WIN-WINな状態を築く一環として、

健康バーガー事業に乗り出したと言えそうです。

 

【補足:CSVの3つのやり方】

 CSVの具体例を先に述べましたが、実際にCSV活動を企業が試みた時に、どう考え始めたらCSVを実現するようなアイディアが出るのかがわからない、と思うかもしれません。

一般に、以下の3つの思考起点があるようです。(グロービスより) 

  1. 製品と市場を見直す
  2. バリューチェーンを見直す
  3. 企業が拠点を置く地域を支援する

具体例で示した例は、「2.バリューチェーンを見直す」 という方法によって、CSVを実現したと言えます。

また、モスの健康バーガーの実例では、「1.製品と市場を見直す」 という方法によって、CSVを実現したと言えます。

 

情報社会になってしまったからこそ、企業は自分勝手な活動をしていたらすぐに淘汰されてしまいます。

逆に、社会をハッピーにするような企業であれば、たとえ小規模であろうとも、人々に応援されやすい環境になったとも言えますね。

 

 

Written by リッキー博士

 

 

 

 

 

 

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