今回は売上原価の算定方法について説明していく。
小売業のような商品を仕入れて、販売し、在庫が残るようなケースでは
この処理は避けて通れない。
決算整理~売上原価の算定
売上原価の算定
売上原価とは、当期に販売した商品の仕入れ原価のことをいう。
これまで、商品を仕入れたら仕入【費用】で処理してきたが、
期末に在庫(売れ残った商品)がある場合には、
その分の原価を仕入【費用】から差し引かなければならない。
また、期首に在庫がある場合、
その在庫は当期中に販売されているので、
その分の原価を仕入【費用】に加算する必要がある。
この修正を計算式で表すと、次のようになる。
売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高
- 期末商品棚卸高
●用語説明
- 期首商品棚卸高:期首時点の在庫
- 期末商品棚卸高:期末時点の在庫
- 当期商品仕入高:登記に仕入れた金額
例1
次の資料にもとづき、売上原価を算定しなさい。
期首商品棚卸高:100円 期末商品棚卸高:200円
当期商品仕入高:1,000円
売上原価:900円
※100円 + 1,000円 - 200円 =900円
売上原価を算定するための決算整理仕訳
次は、売上原価を算定するための仕訳についてみていく。
売上原価を算定するための仕訳には、
仕入勘定で算定する場合と、売上原価勘定で算定する場合があるが、
ここでは仕入勘定で算定する場合についてみておく。
売上原価を仕入勘定で算定する場合、
仕入勘定と繰越商品勘定を用いる。
なお、繰越商品とは、期末に売れ残った商品(期末商品棚卸高)のことをいい、
この商品は翌期首に繰り越される。
したがって、当期の決算を行う前の繰越商品勘定の残高は、
当期首における商品の残高(期首商品棚卸高)を意味する。
期首時点で保有している商品は、通常、当期中に販売されるため、
期首商品棚卸高【資産】は当期の売上原価【費用】となる。
そこで、決算において期首商品棚卸高を繰越商品【資産】から仕入【費用】に振り替え、仕入【費用】に加算する。
次に、期末商品棚卸高を仕入【費用】から繰越商品【資産】に振り替え、
仕入【費用】から減算する。
例2
決算において、売上原価を算定する。
期首商品棚卸高は100円、期末商品棚卸高は200円であった。
仕入 | 100 | 繰越商品 | 100 |
繰越商品 | 200 | 仕入 | 200 |
最後に
今回は決算で頻繁に出てくる売上原価の算定について説明した。
これ以外にも決算手続きというものはいくつかあるが、
他の決算手続きは別の機会でとする。
bye
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